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さて、今日は前回の続き!防水工法の種類その弐!『ゴムシート防水/塩ビシート防水』について紹介していこう。下の表の上から3、4行目についてだぞ!
■ゴムシート防水 耐久年数:13年程度 適応:屋上 厚み:1.2~2.0㎜ゴムシート防水は、シート状に形成した合成ゴム系の防水シートを接着剤などで下地に張り付ける防水工法です。シートそのものは安定した分子構造を持ち、ゴムのため伸縮性が高く耐久性にも優れていますが、シート同士の接着は接着材と粘着テープによるので、溶融一体化しないという特徴があります。また、厚みが薄いのでやや損傷しやすいのも特徴です。
長所ゴムシート防水の長所は、材質が合成ゴムなので、伸縮性が高く伸びがあり、下地の亀裂にも柔軟に追従することです。温度による物性変化が少ないので、施工地域による制約もす少なく、耐用年数も長いです。工法は、ゴムシートを接着剤と粘着テープによって張り付けるものなので、短工期・低コストです。目立ちにくいところの防水工事や応急処置にも最適です。また軽量なので、木造建築にも向いています。上から保護層として塗装材を厚塗りすれば、軽歩行も可能です。短所ゴムシート防水は、しっかり接着させるため、下地が平である必要があります。そのため複雑な形状には採用しにくい工法です。シート同士を張り合わせるので、接着剤の性能がそのまま防水の性能となる傾向があり、接着剤の耐用年数が問題になります。紫外線でシートが次第に劣化していき、そのうえシート自体が薄いため、鳥害被害や衝撃に弱いという特長もあります。また、接着剤や素材自体に化学物質を使用するので、シックハウスに注意する必要があります。
■塩ビシート防水 耐久年数:13年程度 適応:屋上 厚み:1.5~2.5㎜塩ビシート防水は、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤などで下地に張り付ける工法です。シートを接着剤で貼るだけなので施工性に優れており、複雑な形状や狭い場所でシート同士のジョイントがたくさん発生した場合でも、シート同士を熱風で溶かして一体化できます。既存の下地があっても、下地調整がほとんど必要ありません。
長所紫外線・熱・オゾンに優れた耐久性を持ちます。カラフルな色や模様を生かしたものもあります。高い伸縮性と耐摩耗性を持ち、保護層なしで軽歩行が可能です。また、鳥害被害も受けにくく、鳥のついばみによる穴開けも発生しにくいです。シートは柔らかく曲げやすいので、施工しやすく、下地の撤去が必要ないので改修工事に最適です。短工期・低コストで済みます。短所塩ビシート防水は、シートを使用するので、しっかり接着するためには下地が平である必要があります。シート同士の接合をしっかりする必要がありますが、接着剤でうまくいかない場合は熱風で溶かして接着する必要があります。また、シートを急に曲げたりすると、切れやすくなります。塩化ビニールシートは元々堅い素材で、柔らかくするため「可塑剤」が添加されていますが、それが気化してしまうと当然硬くなって割れやすくなります。 以上が、防水工法その弐ーゴムシート防水と塩ビシート防水ーじゃ!!同じシートでも特性が全く違うのが驚きじゃな(゚ロ゚)!次回は、『FRP防水』について紹介していくぞ。